メタバースとは何か?ECサイトの事例ブランディングに与える影響を解説!

メタバースという言葉を最近よく耳にするようになりましたね。

メタバースとは、仮想空間上に構築された3D/デジタル空間のことを指します。この新しいソーシャルプラットフォームは、私たちの生活やビジネスの次の領域になることが期待されています。

特に、ECサイトのブランディングやSNS活用においては、メタバースの活用が注目を集めています。メタバースを上手く活用すれば、ブランド体験の提供やコミュニティ形成、ブランドイメージの強化など、これまでにない新しい可能性が広がるのではないでしょうか。

この記事では、メタバースの特徴や現状、そしてECサイトのブランディングにおけるメタバースの活用方法について詳しく解説していきます。ECサイトのブランディング担当者やSNS担当者の皆さんにとって、メタバースの活用は今後必須のスキルとなるでしょう。

メタバースとは仮想空間上に構築された3D空間のこと

メタバースとは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のことを指します。この空間では、ユーザーがアバターを操作して自由に移動したり、他者とコミュニケーションを取ったりできます。

この用語は「メタ(超越した)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語で、もともとは”スノウクラッシュ”というSF小説の中で描かれた概念でした。 近年のVR/AR技術の進化に伴い、現実世界とデジタル世界が融合したメタバースの実現が期待されています。

メタバースは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間です。ユーザーはアバターを操作し、この空間を自由に移動しながら、他のユーザーと交流したりアクティビティに参加できます。

メタバースの大きな特徴は、リアルタイムでの同期性があることです。つまり、複数のユーザーが同時に同じ仮想空間で活動できるのです。

ECサイトにおけるメタバース活用事例

メタバース空間でアイテムを購入するとそのバーチャルアイテムと連動した、現実の商品がユーザーにリアル世界で届くという、メタバースのeコマースを期間限定で、実験している会社があります。

  • 自社のRoblox空間を構築しているWalmartは、Robloxとの時間限定の先行的な実験として、自社のリアルの商品をRoblox上で購入できるメタバースeコマースの取り組みを実験しています。※13歳以上の米国ユーザーを対象。

従来のECサイトでは画像や動画、口コミなどの情報から商品を選択していましたが、メタバースでは直接試着やお試しが可能です。

・物理的な場所の制約がなく、世界中から参加可能
・来場者の行動データを容易に収集でき、分析が可能
・イベントの準備や運営コストが抑えられる
・リアルな空間を再現でき、臨場感のある体験が提供できる

ユーザーの規模や独自の文化が形成されてきたからこそ、そのプラットフォームの特性を活かし、企業が自らのブランドや商品を浸透させていくことが先行的に実験されています。

メタバースの今後は、次のソーシャルメディアとして利用されるか?という視点が重要

“3D版 Yotube” 次世代のソーシャルプラットフォームになる可能性

2010年以降に生まれた世代、通称「ジェネレーションa(アルファ)」は、3Dデジタルネイティブとして育ち、タブレットやスマートフォンを幼少期から日常的に使用することが当たり前の環境で成長しています。

この世代は、エンターテイメントやコミュニケーションの多くを空間のUXで行います。

大人世代がゲームの中で、交流や遊びを経験したと同じように、a世代は日常のコミュニケーションから遊び、それを空間の経済と紐づくソーシャルプラットフォーム上で体験しています。

その中でも最も、ユーザー規模、エンゲージメント、アクティブ度が高いのは、 “空間の参加型ソーシャルメディア” であるRobloxです。

Roblox(メタバース)では、月間アクティブユーザー数が2.7億人に達し、1日あたり平均2.5時間をメタバースで過ごしているという統計データがあります。このエンゲージメントの高さは、他の人気プラットフォームであるTikTokやYouTubeを凌駕しています。

なお、Robloxは2006年から技術的な積み上げと、トラクションを実現しています。

メタバースがECサイトのブランディングに与える影響

メタバースは、ECサイトにとって新たなブランド体験を提供する3D空間プラットフォームです。

ユーザーは仮想空間内で商品を自由に体験でき、アバターを通じて没入感のある買い物が可能になります。

加えて、メタバース上でのコミュニティ形成により、ブランドとユーザー間の関係性が深まります。 様々なイベントやアクティビティを通じて、エンゲージメントの向上が期待できます。

さらに、メタバース独自の体験やデジタルアイテムを提供することで、ブランドは差別化を図ることができます。 ユニークな価値提案によりブランドイメージの強化が可能となり、他社との優位性を確立できます。

※ Robloxソリューションfor企業・地域・教育では、現実の梅狩りイベントと連想した、イベント実施いたしました。

メタバース上での新たなブランド体験の提供

メタバースの台頭により、企業はバーチャル空間での新たなブランド体験を顧客に提供できるようになりました。 インタラクティブな商品展示やバーチャルイベントを通じて、没入型の体験を届けることが可能です。

従来のデジタルマーケティングとは異なり、メタバースではユーザーが自発的に仮想空間を体験することで、 ブランドの世界観や価値を効果的に伝えられます。

このように、メタバースはブランドと消費者の関係を変革する新しいマーケティングの形として注目されています。 一方的な情報受け渡しではなく、双方向のコミュニケーションが可能になるからです。

※ Robloxソリューションfor企業・地域・教育では、「みつぼしart星田」での商店街とアート展示の現実のイベントと連想した、Roblox空間を製作いたしました。

メタバースを活用したコミュニティ形成とエンゲージメント向上

メタバースは、アバターを介した仮想空間上でのコミュニケーションを可能にします。この特性を活かすことで、ユーザー同士がより深い繋がりを持ち、コミュニティを形成しやすくなります。

例えば、メタバース上では以下のようなことが可能です。

実際の活用事例の例

・「フォトコンテスト開催!」企業が運営する既存のInstagramアカウントと連動する形で、ファンが投稿した写真をRoblox内に展示し、ファンがその空間へ遊びに来るなどの設計をすることも可能です。

「巨大化させてPR!」ブランドや商品、モニュメントなどを3D空間でインパクトのある形で表現し、PRします。Roblox独自の空間表現を生かしながら、そのブランドのコンセプトや世界観を表現する空間体現を目指します。

_「一緒に3D空間をつくる!」すみだメタバースこども国家(Roblox) で探究学習でRobloxを活用した「1日でクリエイターになる」といった内容の探究学習/STEM教育 を行っています。私たちの取り組みを通じて、若い世代のクリエイターや学校教育期間のと人材コラボ等も可能になります。

「AIを活用!」生成AIを活用したインハウス支援も行っています。Instagramの投稿をAIを活用して業務改善に繋げるように、Robloxの3D空間をAIと素材をつくらせたり、AIにプログラミングをやってもらったり等。リスキリングにも繋がる生成AIインハウス支援も可能です。

このように、既存のSNS運用と掛け合わせた施策や、大規模リアルイベントとのメタバース空間連動体験を提供することで、ユーザーのエンゲージメント(関与度)を大幅に高めることができます。

メタバースによるブランドイメージの強化と差別化

メタバース上では、ブランドが独自の世界観を表現し、楽しさ、遊びを体現できる空間を提供することができます。

3D空間体験での”認知、体験、交流、購買 の一連のステップに注意しましょう。

 これにより、メタバースならでのはの文化/特性を掴みながら、自社のブランド認知/ファン獲得に繋げていくことに繋がります。

例えば、バーチャル空間でブランドの世界観を再現した体験型コンテンツを展開することで、 ユーザーは製品やサービスを”体感”でき、それ自体がブランドの魅力となります。

メタバース上でのインフルエンサーマーケティング

メタバース上では、新たなインフルエンサーマーケティングの形が期待されています。調査によると、81.4%のインフルエンサーがメタバースでの活動に興味を示しているそうです。(参考URL:https://service.liddell.tokyo/news/3591/)

インフルエンサーは、ユーザー参加型のライブ発信をしながら、ユーザーと3D空間でよりインタラクティブな”共同体験”を行うことができます。

・【参考】株式会社ロブラボ ”ユーザー参加型ライブ発信”の様子 → https://www.youtube.com/@roblabo/streams

メタバース活用における課題と懸念点

企業がメタバースへ参入をする際に、最も気を付けなければならないのは、長期的な取り組みとして行うことです。

企業のYoutubeチャンネルの立ち上げ/運用に当てはめるとイメージが付くかもしれません。1つの動画を投稿しただけでは、ファンとのコミュニケーション、拡大は難しいでしょう。

メタバースにおいても、その空間でユーザーが”どのような体験”をしてほしいか、”どのように面白く、楽しんでもらう空間”にできるかを重点的に考え、設計していく必要があります。

私たちがこれまで様々な地域/企業と行なってきた、経験からは、地域や企業が主催するイベントの連動から始めるのをお勧めしています。

例:神姫バス みなとゆかたびイベント

ユーザーのプライバシーとセキュリティの確保

Robloxは、若年層ユーザーの多いプラットフォームとして、プライバシー保護に特別な注意を払っています。13歳未満のユーザーには厳格な設定が適用され、保護者による管理機能も提供されています。データ収集は最小限に抑えられ、AIによるチャットの管理なども行われています。COPPAやGDPRなどの国際的な規制にも準拠し、定期的にポリシーを見直しています。

2006年から若年層に浸透しているRobloxは、他のプラットフォームよりも厳しく、プライバシー保護に向き合っている企業とも言えます。

今ままでのSNS活用を活かしながら連動する

企業がSNSを活用するのは、一般的になってきています。

SNSで使用するコンテンツやブランドイメージをメタバース空間にも、相互に連動していくことで、既存のSNSですでにフォロワーになっているユーザーの熱量を高めたり、若年層の新たなユーザーを獲得/醸成に繋げることができます。

ECサイトのブランディング担当者がメタバースを活用するためのヒント

メタバースは、ECサイトのブランディングに新たな可能性をもたらします。 ブランディング担当者がメタバースを効果的に活用するためのヒントをご紹介します。

まずは、メタバースの特性を理解することが重要です。 ユーザーがアバターを操作して商品を”手に取る”体験ができるなど、従来のECとは異なる特徴があります。そのため、ブランドにマッチした活用方法を検討する必要があります。

次に、ユーザーのニーズや行動を分析し、効果的なアプローチを行うことが大切です。 メタバースECのモールに出店したり、独自のプラットフォームを構築したりするなど、ブランドに合った方法を選択しましょう。

さらに、他社の先行事例を参考にしながら、独自の価値提供を目指すことが重要です。 メタバースを活用したブランディングには一定のコストがかかりますが、差別化を図ることで、ブランドの認知度や好感度を高めることができます。

メタバースの特性を理解し、ブランドにマッチした活用方法を実施する

企業がメタバース空間に参入する際に、お勧めしているのが、すでに行なっているイベントなどと連動するということです。

イベントは、ユーザーの認知、交流、体験、購買を促す良い機会でしょう。ビジネスの目的では、顧客リードの獲得が主な役割になってきますが、Robloxでは空間内で一定のアクティビティ(例:ドアを通ったなど、コインを獲得した)に応じて、バッジを付与することでユーザーを自然に選定することができます。

メタバースでは、ユーザーがアバターを通じてブランドと直接的に関わることができます。 これにより、従来の2D広告では得られなかった新たな体験価値の創出が期待できます。

また、メタバース上でブランドの世界観を立体的に表現できるため、より没入感のある体験を提供できます。 例えば、以下のような活用方法が考えられます。

・仮想ショールームの展開
・限定デジタルコンテンツの販売
・ブランドの世界観に合わせたユニークなイベントの開催

企業は、このようなメタバースの特性を踏まえ、ブランドの魅力を最大限引き出せる活用方法を検討する必要があります。

3D空間ならではのユーザー行動の分析と行動デザインが必要

メタバース上では、その空間でユーザーが起こした行動データを取得することができます。ブランドの認知/購買に繋がりうるユーザー行動を自動で検出し、SNSで例えるなら、「いいね」や「コメント」「引用投稿」「ハッシュタグ」などの共有に該当する数値を取得することができます。

メタバース空間のユーザーが、起こす行動は、基本的に空間を移動するアバターを軸としたアクションになります。

  • 空間内を移動する。
  • アバターをジャンプさせる。
  • 特定の場所まで移動する。
  • アイテムを使う/購入する。
  • 他のユーザーとチャット/音声通話する

などたくさんの空間何でのアクションを観測できます。例えば、Robloxプラットフォームの場合、このようなアクションを、ダッシュボードから参照することができます。これはSNSのインプレッション(view、リーチ数)の数値を参照できる管理画面を意味します。

ECサイトのブランディングにおけるメタバースとは? まとめ

メタバースとは仮想空間上に構築された3D空間のことです。特に、ECサイトのブランディングやSNS活用においては、メタバースの活用が注目を集めています。新しいブランディング手法の一つとしてメタバースの活用は有用です。

また、ある企業での調査では、81.4%のインフルエンサーがメタバースでの活動に興味を示しているというデータもあり、今後インフルエンサー側もメタバースを活用していく時代が来るでしょう。

未来を見越してEC担当者も今からメタバースでのブランディングを考えてみるのはどうでしょうか。いかがでしょうか。

hayato takahashi

hayato takahashi

エンジニア