近年、IT業界にかかわらず、誰でも簡単にアプリ開発ができるノーコードが、様々な業界から注目を集めています。
急速にノーコードの認知が広がった要因として、GoogleがAppSheetを買収したり、AmazonがノーコードのHoneyCodeを公開したりなど、GAFAのノーコード市場への参入があるのではと思います。
少し前までは、簡単でシンプルな開発に向いており、モック開発に使うツールとして認知されていましたが、拡張性が高くなってきており、現在も目覚ましく進歩し続けています。
実際、NOCODOメディアでもこれまで取り上げてきたBuubleやAdaloにおいては、企業への講習や開発案件も増えてきており、ノーコードで開発したサービスを実際に市場に出し、運用を行ってきた企業の事例も紹介してきました。
さらに、IT分野を中心とした調査・助言を行う世界規模の企業Gartner(ガートナー)では、2024年までに開発されるアプリの65%は、ローコードやノーコードでの開発になると予想をしています。
今回は多くの方に、ノーコードに興味を持ってもらいたいので、皆さんと親和性が高いGAFAが提供しているノーコードツールについて紹介していきます。
また、NOCODOではノーコードの事例についても記事で解説をしていますので、よろしければご覧ください。
https://nocodo.net/media/media-3425/
この記事の目次
GAFAとは
プラットフォームを保持している企業で、「Google、Apple、Facebook、Amazon」の頭文字をとった造語になります。
GAFAが提供しているプラットフォームは世界最大級で、「ITプラットフォーマー」とも呼ばれており、その大きすぎる影響力は市場やビックデータを独占できるほどの力をもっており、世界各国から警戒や規制の対象にもなっています。
NoCode(ノーコード)とは
ノーコードとは、コーディングによるプログラミング開発を行わないで、ホームページを作成したり、Webアプリケーションを開発したりと、従来ではエンジニアが介入していた部分を一部、非エンジニアでも開発できるよう作られた開発プラットフォームです。
また、ノーコードツールは目的に特化したツールが多いのが特徴で、ECショップを開発するのに長けたツールや、自動化を行うツール、業務アプリの開発ツールなど、様々なジャンルが存在します。
GAFAが提供しているノーコードツール
では、Facebookを除いたGAFAが提供しているノーコードツールを紹介していきます。
Googleのノーコードツール App Sheet(アップシート)
AppSheetは、元々AppSheet社が提供していたサービスで2020年1月にGoogleが買収を行ったサービスです。
GoogleはAppSheetを買収する前は、Google App Makerという非エンジニアでもアプリ開発できるサービスを提供していましたが、サービスを停止し、AppSheetに乗り換えました。
AppSeetは、業務のワークフローを効率化・改善することを目的に開発されたサービスであり、現在はgoogleが提供しているサービスということでGoogle CloudやGoogle Workspaceと親和性が高いサービスとなっています。
https://www.appsheet.com/
またNOCODOでは、Gooleのサービス利用者が多い点や、業務でスプレッドシートを活用している企業が多いことから、AppSheetの解説記事を公開していますので、よろしければご覧ください。
Appleのノーコードツール Claris Connect(クラリスコネクト)
Claris ConnectはClaris社が提供しているノーコードツールで、厳密に言うとAppleが提供しているわけではないのですが、Appleの子会社になります。
Claris Connectはその名の通り、サービスを接続し業務を効率化することができます。
新型コロナ感染症の影響でリモートワークになり、Slackなど新たなSaaSやアプリなどを使用する機会が増えた方などは、Claris Connectを活用することによってワークフローを自動化することができます。
以下で紹介しているリンクはClaris公式のブログで、日本企業での活用事例が沢山紹介されており、使い方についても解説している記事があるので、気になった方はブックマークしておくことをおすすめします。
https://www.claris.com/ja/blog/
Amazonのノーコードツール Honeycode(ハニーコード)
HoneycodeはAmazonが提供しているノーコードツールで、AppSheetのようにエクセルやスプレッドシートを活用して、Webアプリケーションやスマホアプリ(ネイティブアプリケーション)を開発することができます。
サービスのリリースは2020年6月となっており、ノーコードツールの中でも比較的最近のサービスです。また、2021年の9月時点ではベータ版となっていたので、今後のアップデートが期待されるノーコードツールです。
https://www.honeycode.aws/
以下のリンクは、Amazonが提供しているAWSのブログから、HoneyCodeの使い方を日本語で解説している記事になります。
ツールの特徴
ツールの特徴について紹介していきます。
App Sheet(アップシート)
AppSheetは、業務のワークフローを改善するためのアプリを開発することができ、GoogleCloudやGoogle Workspaceなどのサービスを使うことが多い人におすすめのノーコードツールです。
代表的なサービスに、「スプレッドシート、Gmail、Googleカレンダー、Google Meet」などがありますが、これらの作業を効率化、自動化することができます。
また、AppSheetはGoogleが提供しているツールなので、Google Workspaceのツールを連携する際に手数料がかからない点もメリットの1つです。
おすすめのユーザー
- 業務でGoogleが提供しているサービスを使用する機会が多い
- 業務アプリ開発ツールを探している
Claris Connect(クラリスコネクト)
Claris Connectは、様々なアプリやSaaSなどのサービスを連携することができるサービスで、サービスの連携に特化したツールになります。
iPaaSなどのサービス連携に特化したノーコードツールには、Zapir(ザピア)やIntegromat(インテグロマット)などがあります。
その中でClarisの強みは、サービスの成長スピードが上げられるのではと思います。比較的に最近のサービスですがサポート体制が充実しており、コミュニティが活発で世界中でイベントなどを開催しているので、コミュニティを利用してスキルアップを行うことも可能です。
また、連携できるサービスやアプリなども日々増えてきています。
以下で紹介しているリンクは、国内のClarisパートナーの紹介ページになります。
https://www.claris.com/ja/partners/
おすすめのユーザー
- 日々、複数のアプリやサービスを活用する機会が多く、連携や自動化を考えている
- イベントやコミュニティが活発なiPaaSのプラットフォームを探している
Honeycode(ハニーコード)
HoneyCodeは、AppSheetのようにエクセルやスプレッドシートからアプリケーションを開発することができ、開発環境やサーバーなどもAWSで管理してくれるので、開発の前準備は不要です。
アプリを開発する際にテンプレートが用意されており、テンプレートには、在庫管理、有給申請、ToDoリストなどがあり、業務アプリ開発のプラットフォームになります。
現在はベータ版ですが、Amazonが提供しているAWSのノーコードツールということで、AWSなどのサービスと親和性の高いツールになっていく可能性が高く、AppSheetよりはエンジニア向けのサービスになるのではと思います。
おすすめのユーザー
- 業務アプリ開発ツールを探している
- 専用のAPIを利用する際に、AWSのコンソール画面を触るためAWSに慣れている人
料金比較
簡単にそれぞれの料金プランを紹介していきます。
App Sheet(アップシート)
以下の画像は、公式の料金プラン表から画像をキャプチャしたものになります。
画像は見切れているのですが、種類は「Starter、Core、Standard、Plus」の四つがあるようです。
また、プラン表では分かりづらいですが、公開を行わなければ一通りの機能を無料で試すことができます。さらに、月10人までは開発したアプリを共有して使用することも可能です。
画像の参考元↓
https://solutions.appsheet.com/pricing
Claris Connect(クラリスコネクト)
Claris Connectには有料プランと無料プランがあり、無料プラン(無料評価版)でも一通りの機能を体験することができます。
無料評価版(無料プラン)を登録する際に、クレジットカードの登録が必要になるようですが自動更新で料金が発生することはないようです。
有料プランの違いは、「連携や自動化のフロー数やAPIの数、利用できるアプリの数、ユーザー数の制限」があります。
画像の参考元↓
https://www.claris.com/ja/pricing/connect.html
Honeycode(ハニーコード)
Honeycodeには無料プランと有料プランがあり、登録の際はAWSのコンソール内ではなく、Honeycondeの専用ドメインからの登録になります。
無料プランでも一通りの機能が使えるようです。有料プランでも大きな違いと言ったら「ワークブック数などの容量、人数追加が可能かどうか」くらいかと思います。
ただ、現在はベータ版ということもあり、アップデートなどの仕様の変更によって料金プランの変更を行う可能性も高いと思います。
画像の参考元↓
https://www.honeycode.aws/pricing
まとめ
「ノーコードツールとは」でも解説したように、ノーコードは目的に特化したツールが多いのが特徴で、GAFAのノーコードツールは「業務改善」を目的としたものといった共通点がありました。
また、業務で使用するSaaSなどが増えてきている現状や、データをスプレッドシートで管理しきれなくなっている企業などをターゲットに、時代のニーズに合わせたノーコードツールが提供されており、非エンジニアが対象になっています。
エンジニアが不足しており、さらなるIT化が進む一方で、DXなどの課題が浮き彫りになればなるほど、こういった課題解決に特化したノーコードツールが普及していくことが予想されます。
実際に最近では、新型コロナ感染症の影響で、外出自粛や時短営業の影響から、ノーコードでネットショップを構築ができるShopifyやBASEなどのノーコードツールが注目を集め、「BASEはコロナの影響で売り上げが2倍になった」という記事がニュースピックスに上がっていました。
今回の記事でノーコードツールに興味が湧いた方は、自分が抱えている課題を洗い出してみて、その課題を解決してくれそうなノーコードツールを探してみてはいかがでしょうか?
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