NOCODOでは2021年の4月に、「ノーコード × 新規事業と人材育成」をテーマに登壇イベントを行いました。
今回の記事では、ノーコードで新規事業を行う際のメリットやデメリット、ノーコード開発のポイントや、ノーコード市場の将来についてディスカッションした内容をまとめています。
「新規事業の際、資金調達に苦戦している方や、考えたアイディアに需要があるのか時間とお金をかけずに検証したい」といった課題を抱えている方に、おすすめの内容になっています。
また、アプリ開発を自社で内製化したいと考えている方にとっても有益な情報になっておりますので、経営を行っている方などにも、おすすめの内容になっています。
ノーコードで副業をお考えの方については、ノーコードの副業に関しての記事を公開していますので、よろしければご覧ください。
<前回のイベント記事>
<この記事のイベント動画>
イベントの動画をYoutubeにて公開しています。
この記事の目次
パネルディスカッション
ノーコードの新規事業や人材育成について、お話いただいた内容をまとめました。
誰でもBubbleで開発できるのか?
最近では、ノーコードでの開発が認知され始め、ノーコードに関する記事を目にすることも多くなりました。
ノーコードの記事では、ノーコードツール全体に関してのメリットが挙げられており「誰でも作れる」といった売り文句でノーコードツールの紹介がされていますが、使用するツールによっては誰でも開発するのは難しいようです。
今回と前回の記事で紹介しているBubbleは、柔軟で高速なアプリ開発ができるノーコードツールですが、Bubbleは基本的な情報が英語なのと、アプリ開発の基礎知識を要する必要があり、コーディング開発による開発に比べて簡単なだけであって、学習コストは非常に高いです。
ただ、ノーコードの人材育成を行っているidemoの江角さんは「諦めなければ、Bubble未経験でアプリ開発の知識がなくても、アプリ開発を行うことができる」とおしゃっていました。
諦めずに頑張れば、プログラミング未経験でも開発できるか?
では、実際にどのような人がBubbleを使ったアプリ開発ができるようになるのか紹介していきます。
idemoで人材育成を行っている中で、最終的にどんどんアプリ開発ができるようになる人は「分からないところは、どんどん質問して、実際に手を動かす人」と解説されていました。
正直、ハードルが高いと感じる人もいると思いますが「最初から手を動かすのはハードルが高いので、まずはBubbleを積極的に触り慣れていくことから始めればいい」ともおっしゃっていたので、不安に思う必要はないと思います。
コーディング開発に関しても同じことが言えるので、ノーコードだからどうこうではなく、愚直に頑張る姿勢が重要なことがわかります。
ただ、登壇者さんの中で、英語が得意な人は「Bubbleの学習が楽しかった」、英語が苦手な人は「Bubbleの学習は苦痛だった」といった風に分かれていたので、英語が得意な人が比較的に向いていると感じました。
【idemoに対しての質問】受講生で開発が進まない方には、どのような対応をしているか?
ノーコードスキルの人材育成を行っているidemoさんでは、何かしらの理由でアプリ開発を行えない受講生に対して、1日のスケジュールのヒヤリングを行い、学習時間の確保を行っておられるようです。
Bubbleは学習コストが高いと紹介してきたこともあり、Bubbleでの人材育成は、スケジュールのサポートを行ったり、Bubbleでの開発について詳しい人材をあらかじめ用意しておく必要があるのだなと感じました。
また、Bubbleでの新規事業を考えているけど、ちょっと自信がない方は一度idemoさんに相談してみると良いかもしれません。
【idemoに対しての質問】Bubbleで開発できない新規事業のアイディアはあったか?
idemoさんでは、新規事業のアイディアの壁打ち相談、アイディアがBubbleで実装できるかの判断と、アプリ開発、アプリのリリースまでサポートを行っておられるのですが、今年の4月で開催されたイベント時点で、実装できないと判断したアイディアはなかったそうです。
また、idemoさんでは受講する前に、実装可能かどうかのヒヤリングと返金保障を行なっているので、受講を考えている方は不安になる必要はないと思います。
【ABABAに対しての質問】新規事業の際、ノーコードであってよかったところは?
ABABAさんは、ノーコードで開発されたサービスということで、注目されることが多かったらしく、現段階だとノーコードで開発しただけでもある程度のメリットはあるようです。
また、新規事業を行う際、サービスを利用しているユーザーからのフィードバックを高速でアプリに反映でき、修正の速さを実感することが多く、その点は非常に良かったとおしゃっていました。
そして、あまり知られていない情報なのですが、「ノーコードであったが故に投資家の方から褒められた」とおしゃっていました。
従来のコーディングによる開発だと、検証の結果から仕様の変更が生まれ、開発のコストがかさむことで、開発ばかりに資金を費やしてしまい、ポシャってしまうケースが非常に多かったらしいのですが、ノーコードであれば開発までにかかる費用とコストを短縮できるため、評価につながったようです。
【ABABAに対しての質問】コーディング開発に乗り換えたいと思うような、デメリットはあるか?
運営当初は、ページ数が多くなったため、アプリの動作が重くなってしまう懸念があったらしいのですが、現在そういった予兆はなく、データの要領も増やすことができるため、今のところはコーディング開発に乗り換えたいと思うデメリットはないようでした。
ただ、今後ユーザーが何千万と増えていった場合は、コーディング開発の移行を検討されているようです。そして、コーディング開発の以降に関しても可能だと想定しておられるようで、特にデメリットとして捉えている感じではありませんでした。
【idemoから】ノーコードのメリット、デメリット
新規事業家に対して、企業支援を行っているidemoさんですが、ノーコード開発は新規事業家にとっては大きなメリットがあり、マストのスキルだとおっしゃていました。
新規事業の初期段階は、アイディアのブラッシュアップやサービスの検証、仕様の変更など、開発とその他で様々なコストがかかるので、コストをかけずに高速で開発できる、ノーコードは特に新規事業との相性が良いようです。
【idemoから】コーディング開発の方が良かったなと感じたことは?
新規事業の開発に関してはないようでしたが、将来的に外部サービスとの連携を行う際は、どこまでをノーコードで開発するかの見極めが重要になってくるようでした。
最初から、ガチガチに実装したいは、コーディング開発の方が良いかもしれませんが、新規事業を行う観点から見ると高速でMVP開発を行い、市場の検証を行った方がメリットがあると思うので、特にデメリットとして捉える必要はないと思います。
ノーコードの需要は、増えてきているか?
これまでのノーコード市場は、副業での活用方法としてフリーランスや、高速開発を利用した新規事業家に対してニーズがあり、個人のフェーズでしたが、最近では大企業や法人なども注目しており、個人レベルから組織へと市場が拡大しています。
理由としては、企業がアプリ開発を内製化したいといった需要が増えてきていることから、学習コストを抑えてアプリ開発ができるノーコードが注目されているようです。
なので、ノーコード市場の前線で活躍しているノーコーダーの方などは、ノーコードの研修や伴走を行いアプリ開発を内製化するための案件が増えてきているそうです。
また、研修だけでなく開発案件なども増えてきているそうで、実際にノーコード市場の需要が高まっていることが確認できました。
企業がノーコードを導入する際の懸念はあるか?
先ほど、ノーコードの需要が高まってきており、市場のフェーズが個人から組織へと移行していると解説しましたが、クライアント側の知識が追いついていないと「Bubble、よくわからないから辞めた」といった風に案件が終了したり、コミュニケーションを行うのが難しくなったりする場合があるようです。
ノーコードで新規事業を行う際のポイントは?
未経験であるならば、できるだけノーコードに詳しい人に質問して、手を動かせる環境を用意することが重要です。
Bubbleは高速で柔軟なアプリを開発することはできますが、開発に関する情報はまだ少ないので、未経験から独学で行うと時間を大きくロスしてしまう可能性が高いです。
せっかくノーコードで新規事業を行うのであれば、メリットを活用し時間をかけずにリリースした方が良いでしょう。
また、コーディングによる開発も、ノーコードによる開発も、あくまでサービスを運営するまでの手段になるので、アイディアのブラッシュアプや検証によるプロダクト改善、営業やマーケティング戦略などが大事になってきます。
したがって、ノーコード開発に限る話ではないですが新規事業を行う際は、アプリを作り込まずに、初期段階で検証を行い高速でユーザーにリーチできるサービスを作る、リーンスタートアップのような考え方が重要になってきます。
まとめ
新規事業でのノーコードのメリット
- 開発にかかる、あらゆるコストを抑えることができるので、投資家の評価ポイントにつながる。
- 開発にコストがかかりすぎて、ポシャってしまうケースはあるあるなのだか、ノーコードツールを使用することによって回避することができる。
- 新規事業では、検証、仕様の変更、など時間がかかる工程がたくさんあるが、ノーコードを活用することによって大きく改善することができるため、相性が良い。
ノーコードのデメリット
- Bubbleについて知識がないと、理解が難しいためクライアントによってはコミュニケーションコストがかかる
- ノーコードツールといっても、Bubbleは誰でも簡単に開発できるわけではないので、甘く見ていると挫折につながってしまう可能性が高い。
- 英語力が必要になるケースが多く、英語が苦手な人がノーコードツールを使用すると、苦戦する可能性が高い。
- まだ日本で学習できる環境と情報が少なく、独学で開発しようとすると無駄に時間がかかってしまう。そのツールに詳しい人に聴ける環境が大事になってくる。
- ノーコードツールで開発を行い、事業を行う際は「どこまでノーコードツールで開発するのか、とりあえず手動で行う部分、将来的にコーディング開発を行う部分」などの判断が難しい。
ノーコードの未来
- 開発に多くのコストを投入してしまい、運営までいけなくなるケースが非常に多かったが、ノーコードツールによってそういった課題をクリアすることができるので、新規の事業が増えてくる。
- ノーコードツールを使用した開発は、投資家の評価のポイントが高いので、資金調達のハードルを下げられることから、挑戦的な人が増えていく。また、コストをかけないことにより、自己資金で新規事業を行う人が増えてくる。
- 今までは、副業につなげたいフリーランスや新規事業家などから需要が見られたが、大企業のアプリ開発内製化の需要により、ノーコード市場は企業や法人のフェーズに移行していく可能性が高い。
- 企業のアプリ開発内製化の需要に伴い、研修や伴走などの案件が増えてくる可能性が高い。
登壇者情報
このイベントでディスカッションを行ってくださった、登壇者の方々のリンクになります。
Twitterなどで、定期的にノーコードに関する情報を発信されているので、ノーコードに興味のある方は、フォローしておくことをお勧めします。
安藤 昭太 氏
大学卒業後、富士通でサービス開発やクラウド戦略などをやり、10年後に独立していま会社経営しています。
ノーコードが好きすぎて、ノーコードで食べていく仮説を検証中。ノーコード本書いてます。他には組織のDXを推進するコンサルや開発をやってます。
Twitter:
Sho T(高橋 翔)氏
・一般社団法人NoCoders Japan協会 代表理事
・株式会社プレスマンのCINO(Chief Innovation Officer)
・ノーコードスキルシェアプラットフォーム『NOCODO(ノコド)』事業責任者
・クロスコミュニティなどを行うオープンイノベーター
HP:
Twitter:
株式会社ABABA 久保 駿貴 氏
「企業同士で連携した採用」を可能にし、最終面接までの頑張りが評価されてオファーが届く新卒向けのサービスABABAを提供しています。
ABABAはサービスLPからアプリケーションまで全てノーコードで開発されています。合同会社idemoのサポートを受け、最速でサービスをリリースし、現在は日本NO1ノーコーダー中田圭太郎氏をCTOに迎えました。
リリース5ヶ月でユーザー企業100社突破、登録学生1000名を突破し経済産業大臣賞も受賞しました。落とさざるを得なかった学生とも良い関係を構築し、他社の最終面接まで進んだ学生を効率よく採用したい企業様、是非ABABAをご利用下さい!
Twitter:
HP:
idemo合同会社 江角 宥熙 氏
idemo合同会社はアイデアを持っているすべての人の起業へのチャレンジを全力で支援するノーコード教育事業に取り組んでいます。
ノーコード技術により起業家がアイデアを形にするハードルが下がっており、サービス開発における時間的コストも大幅に削減することが可能となっています。
弊社サービスidemoではサービス開発における技術的なサポートはもちろんのこと、アイデアのカベウチなども実施し全力で起業家に寄り添います。
アイデアはあるけど具体的な「サービス」がないために価値提供に苦戦している方や、相手にサービス内容を伝えることに苦戦している方はぜひidemoと共にアイデアを形にし、サービスリリースを目指しましょう。
idemoがあなたのアイデアを最短でサービスリリースまで導きます。
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プレスマンでは、ノーコード(NoCode)・ローコード思考によるDXを進めています。
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